手のむくみ解消法
手のむくみを解消するには、①グーとパーをくり返して手指の筋肉を動かす、②手を心臓よりも上の位置に持ち上げる、という2つの対策が有効です。
これはどちらも、手の皮膚の下に溜まった水分を末梢静脈や末梢リンパ管に回収させる方法です。
手のマッサージも同じ意味で有効ですが、手は骨ばっていて
マッサージがしにくいので、グーとパーをくり返す方が簡単でより効果的です。
手がむくんでいるときは足もむくんでいる場合が多いので、同時に解消するにはウォーキングなどの運動が効果的です。
ラジオ体操でもかまいません。
とにかく体を動かすことで、むくみは改善します。
筋肉の動きが静脈の血液やリンパ液の流れをスムーズにするからです。
手も足も心臓からいちばん遠い末端にあるので、心臓に向かって流れる血液やリンパ液の流れが滞りがちになり、むくみやすいのです。
動脈には心臓というポンプがありますが、静脈やリンパ管では筋肉の動きがその代わりをしています。
むくみを解消するには、できるだけむくまないようにする対策も必要です。
そのために有効なのは、①身体の水分を増やす塩分の摂りすぎをひかえる、②水分の代謝をコントロールするホルモンバランスを整える、②運動で筋肉を太くしてポンプの出力を大きくする、などです。
塩分を摂りすぎると身体の水分が多くなるのは、人の体液は塩分濃度が0.9%で一定している必要があるからです。
それより塩分濃度が濃くなりそうだと、水分を補給するためにのどが渇きます。
塩辛いものを食べるとその分だけ身体の水分も増えることになります。
血液と細胞の栄養や老廃物の交換をふくめて、身体の代謝作用にはホルモンが関係しています。
生活習慣を改善してホルモンのバランスを正常に保こともむくみの解消に役立ちます。
女性はとくに生理の時にホルモンバランスがくずれやすいので注意が必要です。
女性がむくみやすいもう1つの理由は、筋肉が男性に比べると細いからです。
ふくらはぎの筋肉は第2の心臓と言われるくらい、体液の流れをスムーズにするための重要なポンプ役です。
女性が握力が弱いのも手指や腕の筋肉が細いからなので、運動で握力を強くすると手のむくみの解消につながります。
冷え性も手足の血行を悪くするので、むくみの大きな原因になります。
冷え性の改善が手のむくみの解消に役立ちます。
むくみはよく「身体の余分な水分」と言われますが、この水分とは細胞間液のことです。
細胞間液は細胞の周りにあって、いわば細胞を浸している体液です。
血液はまず細胞間液に栄養と酸素を供給して、それを細胞が受け取ります。
細胞は二酸化炭素と老廃物を細胞間液に排せつして、リンパ管と静脈の末梢がそれを回収します。
この回収作業がとどこおることで起きるのがむくみです。
手のむくみを解消するには、身体の水分を増やしすぎないことと、リンパや静脈の流れを良くすることが大切です。
腎臓や心臓、肝臓の病気、甲状腺ホルモンの異常などもむくみの原因になります。
このような病気が原因のむくみを改善するには、当然ですが病気の治療が先決になります。
日常的にむくみが酷い方は利尿剤ラシックスで尿をたくさん出してむくみを抑えることが可能です。